パナソニック、変革は外から Panasonic再起まとめ読み
パナソニックが外部人材をテコに変革に挑んでいます。時に社内にあつれきを生みながら突き進む外部人材の突破力は、社内に眠る能力を呼び起こせるでしょうか。「Panasonic再起」第3部では、外部人材の発想を取り込んで変わろうとする社員の現場に迫りました。
(1)パナソニック流改革は「PX」 元ファストリ幹部ら改革

パナソニックはかつての成功体験に裏打ちされた商習慣や社内論理などのしがらみを打破しようとしている。カギになるのが「PX(パナソニックトランスフォーメーション)」と題したデジタルを発展させる独自改革だ。

(2)パナソニックに「シリコンバレー流」経営 2週間で改善

パナソニックが米シリコンバレー企業の経営手法を取り込む。その核となるのが、2019年秋に米グーグル幹部からパナソニックに転身した、松岡陽子常務執行役員だ。2週間という短期間のサイクルで改善を繰り返す「アジャイル」な手法で、シリコンバレーへ派遣されたパナソニック社員に意識改革を促す。数十人の社員が米国での経験を日本の職場に持ち帰り、長年の閉塞感を打ち破ろうとしている。

(3)パナソニック、ブランドは脱「最大公約数」 元電通の挑戦

パナソニックがブランド戦略を再構築する。複合企業の評価が株式市場で割り引かれてしまう「コングロマリット・ディスカウント」の課題を解決するため、多様な事業をひとつにくくる最大公約数的なブランディングからの脱却を目指す。旗を振るのは、あきんどスシローやピーチ・アビエーションで執行役員の経験も持つ、元電通社員だ。事業ごとに情報を連打するというブランド戦略で、分かりにくさから卒業できるか。

(4)パナソニック版「メタバース」、仕掛け人は出戻り社員

パナソニックが次の収益源となる「鉱脈」探しを急いでいる。率いるのは、1度はパナソニックを飛び出し、著名スタートアップを興した岩佐琢磨氏だ。「起業の次は大企業改革に取り組む」と出戻って約3年、新しい事業の種探しに苦闘してきた。狙うのは、米IT(情報技術)大手も力を入れるインターネット上の巨大な仮想空間「メタバース」だ。

(5)パナソニック、過剰品質にメス 元マイクロソフトが改革

パナソニックが日々の収益を支える既存事業にも外部人材の登用を進めている。総額8600億円で買収した米社との連携に向けて、日本マイクロソフト(MS)元幹部を登用し、電材や空調など長い歴史を持つ部門にも、元コンサル人材をIT(情報技術)担当として起用した。過剰な品質を重視するあまり開発スピードが遅れていたものづくり文化を改める。構造改革に一定程度のめどがたち、外部の力を活用した変革に挑む。


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