伊藤園の自販機、キリンビバが修理 首都圏などで効率化

伊藤園とキリンビバレッジは27日、自動販売機の修理・メンテナンスで協業すると発表した。伊藤園で展開する自販機の修理をキリンビバの子会社が担う。11月1日から神奈川エリアにある約9000台の自販機から協業を始め、2023年1月以降に首都圏、23年中に中部・近畿圏・九州に拡大する。縮小する自販機事業で手を組み、効率化を急ぐ。
伊藤園の自販機修理はこれまで子会社のグリーンバリュー(東京・台東)が窓口となり、複数の外部メンテナンス会社に委託していた。今回の協業で、キリンビバ子会社のキリンメンテナンス・サービス(東京・中野)が対象エリアの伊藤園の自販機修理を担う。
協業により1日あたりの修理作業の効率が高まるという。対象エリアでキリンビバ側が作業できるように、伊藤園の自販機のシリンダー錠を交換する。
自販機は在宅勤務の普及や新型コロナウイルス禍での外出機会の減少で縮小が続く。飲料総研(東京・新宿)がまとめた21年の自販機の稼働台数は219万台と20年より2%減り、新型コロナウイルス禍前の19年に比べると5%減った。自販機経由の販売は4億3190万ケースと20年比では微減にとどまるが、19年と比べると15%少ない。
飲料業界では自販機事業で連携の動きが広がっている。ダイドードリンコとアサヒ飲料は共同持ち株会社を23年1月に設立し、自販機の運営を一部統合する。キリンビバはヤクルト本社と自販機で商品の相互販売を進めるほか、アサヒ飲料とも自販機のメンテナンスで協業している。