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新型コロナ、体内に数カ月滞留か? 後遺症と関連探る

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米国立衛生研究所などの研究チームは、新型コロナウイルス感染症の発症から200日以上たった患者の体からウイルスを検出したとする報告をまとめた。亡くなった患者を解剖したところ、脳や心臓など体の様々な臓器でウイルスの遺伝物質を検出した。ウイルスが持続的に感染している可能性があるという。後遺症のメカニズム解明に役立つ成果という。

新型コロナは主に肺に感染して呼吸器症状を引き起こす。発症してすぐはウイルスが体内で増えるが、しばらくすると減っていくとみられている。これまでも感染者の心臓などからウイルスの遺伝物質が検出されることはあったが、発症から長期間たったときまでは十分に調べられていなかった。

研究チームは2020年4月から21年3月までに、新型コロナに感染し死亡した44人を解剖し、体内からウイルスの遺伝物質を検出できるかどうかを調べた。発症から死亡までは平均35日で、最長で230日だった。新型コロナ感染症や合併症で死亡した人が9割を占めるが、直接の死因でない人も1割いる。

9割以上の人で呼吸器から、約8割で心臓や血管からウイルスの遺伝物質を検出した。44人中11人については脳の組織も調べ、10人で遺伝物質を検出した。このうち6人は発症から31日以上たって亡くなった人で、うち1人は発症230日後に死亡していた。研究チームはこれらの臓器でウイルスが持続的に感染している可能性があるとみている。

新型コロナ感染症が軽症か無症状にとどまった人でも、脳や心臓などでウイルスの遺伝物質が検出された。研究チームは、重症度に限らずウイルスが全身に感染する可能性があるとしている。

持続的に感染し体内に長くとどまるウイルスには、C型肝炎ウイルスやエイズウイルス(HIV)などがある。新型コロナウイルスでは持続的に感染するのは免疫不全の患者など特定の条件の際に起きると考えられているが、詳細は分かっていない。

感染から約1カ月後も症状が続くといった後遺症は、体の様々な部分に起きる炎症が一因とされるが、詳しい仕組みは分かっていない。今回の報告でも肺以外の臓器では目立った炎症は見られなかった。

今回の報告は第三者の専門家による検証を受ける前の段階だ。研究チームはウイルスがどのような仕組みで体内にとどまり、人体がウイルスにどう反応するかが分かれば、後遺症の仕組みの解明につながるとみている。

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