旧村上ファンド系、コスモHDの新中計に提案
村上世彰氏が関わる投資会社のシティインデックスイレブンスは27日、出資するコスモエネルギーホールディングス(HD)が3月に発表予定の新しい中期経営計画への意見書を発表した。風力事業を手掛ける子会社の上場や製油所の削減、株主還元などを求めた。新中計の内容が十分ではないと判断した場合は、6月に開催予定の株主総会でも問うとしている。
コスモHDは3月に2023〜25年度の中期経営計画を発表する予定だ。シティ社は発表した意見書の中で、風力事業を「低いバリュエーション水準で放置されている再生可能エネルギー事業」と指摘。風力事業を手掛ける子会社を上場させ、企業価値を向上させる必要があるとしている。
さらに今後石油需要が減少するなかで、製油所の削減や業界他社との製油所の統合を求めた。転換された新株予約権付社債(転換社債=CB)の自社株買いや過剰に自己資本を持たないことも改めて要求した。コスモHDが発表する新中計が「株主価値向上に十分に資するものではない」と判断した場合、6月に開催予定の株主総会でも問うとしている。
シティ社などは12日時点でコスモHD株を約2割保有し、実質的な筆頭株主になっている。コスモHDの新社長に就任する山田茂取締役常務執行役員は24日の記者会見で、今後の村上氏側との交渉について「3月に公表する中期経営計画をベースに対話を進めていく」と話している。