ドコモ、メタバース拡大へ新会社 VRゴーグルなど開発

NTTドコモは28日、巨大な仮想空間「メタバース」事業の新会社「NTTコノキュー」を設立したと発表した。NTTグループのメタバース関連の事業を集約し、個人・法人向けのサービス開発を進める。10月1日に事業を始める。
28日、都内で説明会を開いた。主な事業内容はメタバース、実在の製品などを仮想空間で再現する「デジタルツイン」、VRゴーグルなど「XRデバイス」の3つになる。メタバースの入り口になる仮想現実(VR)ゴーグルの開発に着手し、ネットワークと組み合わせてサービス提供できる体制をつくる。
新社長にはNTTドコモで携帯電話の端末開発などを担当してきた丸山誠治氏が就いた。丸山氏は海外展開を目指す方針も明らかにし、「XR(仮想現実・拡張現実などの総称)と言えばNTTコノキューと認められる会社にしていきたい」と述べた。
メタバースの現状について「普及の入り口に立っている」と説明し、使い勝手などを高める必要があるとした。開発に着手する専用端末については「薄くて軽いグラスのような端末を作りたいと考えている」と述べた。
ドコモは26年3月期までに、メタバース事業などを含む「非通信」領域の売上高を全体の半分以上とする計画。携帯料金値下げや人口減少で、収益の柱だった個人向け通信の成長は先細りになる。メタバース新会社の成否は通信会社からサービスの会社への転換を図るドコモの試金石になる。