ENEOS、英国の油田を売却 1800億円規模

ENEOSホールディングス傘下のJX石油開発は26日、英国の北海油田での原油生産から撤退すると発表した。英国子会社の全株式を、資源開発の英ネオ・エネルギーに売却する。ENEOSによると売却会社の企業価値は16億5500万ドル(1885億円)。
ENEOSは石炭や石油権益の売却を進めながら再生可能エネルギーに投資する方針。大型権益から撤退し、二酸化炭素(CO2)回収などを強化する。売却価額は企業価値から借入金や運転資金などを加味して最終的に確定する。
JX石油開発によると、今回売却を決めた北海油田の権益は日産量が石油換算で3万バレル程度で、同社の全権益の約25%にあたる。英国事業の2021年3月期の売上高は約3億3100万ドルで、最終損失は3億7400万ドルだった。売却で英国内の権益はなくなる。
ENEOSは2023年3月期までの中期経営計画で油田の権益などを売って2200億円の現金を創出し、水素や再生エネなどに4000億円を投じる方針を打ち出している。石油元売り業界では、出光興産も20年にノルウェー領バレンツ海に持つ油田の鉱区権益の一部を売却するなど、石油権益の整理を進めている。