NTT系「コロナ後」の実験オフィス、歩きながら仕事も
NTT都市開発を傘下に置くNTTアーバンソリューションズなどは26日、新型コロナウイルスが収束した後の働き方を見据えた実験的なオフィスを東京・秋葉原に開設した。デジタル技術を使い本人のコンディションに合わせて休憩を促す仕組みや、歩きながらでも仕事ができるようにするなど自由度の高い働き方を促す。

実験オフィスの名称は「未来のオフィス 4×SCENE」で、秋葉原駅前の複合ビル「秋葉原UDX」内に設けた。広さは約1000平方メートル。在宅勤務とオフィスへの出社を組み合わせる社員が増えていることを受け、デジタル技術を通じ働く人の予定や好みに応じて生産性の上がる場所などを提案する。オフィス内には歩きながら仕事ができるデスクのほか、終了時刻になると会議室の照明が自動で変わるシステムを導入した。
NTTアーバンソリューションズなどの社員らが利用する。デジタルイノベーション推進部の渡辺裕美プロジェクトリーダーは「コロナ収束後のオフィスは毎日行くのではなく意識的に向かう場所になる」と説明。仕事の効率性が高まる働き方をデジタル技術を使いつつ支援する。
デジタル技術とSNS(交流サイト)を連携させ、働く人の行動履歴やストレス度合いの変化に合わせて、適切なタイミングで休憩を取ることを勧めるメールが届く仕組みを取り入れる。オフィス内には瞑想(めいそう)室や飲み物などを運ぶロボットも導入し、仕事に集中しやすい環境を整える。オフィスの利用データを分析し、新たな機能の開発にもつなげる。
NTTアーバンソリューションズはNTTグループが運営するビルに導入していくほか、入居企業の専有部に一部システムを入れることも検討する。渡辺氏は「一人ひとりの好みに合わせた働き方を提案していきたい」と話す。