ドコモ5Gルーターを使ってみた 接続が不安定な場合も
将来有望5Gホームルーター導入ガイド(4)
高速通信規格「5G」を使ったホームルーター導入ガイドの最終回は、ドコモの5Gホームルーター「home 5G HR01」をテストした結果をリポートする(図1)。

拍子抜けするほど簡単なセットアップ
最初のセットアップは拍子抜けするほど簡単だ。SIMカードをルーター底面のスロットに挿入するだけで準備は完了(図2)。

設置場所は電波が入りやすい窓際が望ましい(図3)。前面左上のランプが青色なら5G、緑色なら4Gで接続されている(図4)。


Wi-Fi 6対応のルーターとしての実力も十分。子機との接続はWPSによる自動設定に対応(図5)。底面のQRコードを読み取ってもOKだ(図6)。


エリア内でつながらないことも
気になる実効速度は、東京都内の3カ所で計測した結果を示した(図7)。5Gで接続できた場所では200メガビット/秒(Mbps、メガは100万)台の速さをたたき出した。一方4Gではおおむね30M~80Mbps程度。動画配信サービスのNetflixの4K映像(UHD 4K)の推奨速度は25Mbps以上なので、4Gでも実用上は問題なさそうだ。

しかし、5Gに過度の期待は禁物。電波の受信状況が安定せず、サービスエリア内とされる場所でも接続できないケースがあった。さらに接続時も上りの速度やレイテンシ(通信の遅延)の数値が異常に悪化する現象も発生。データをアップロードする機会の多い人や、オンラインゲームを楽しみたいユーザーには気になるところだ。
5Gエリアの境界近くでは、「パケ止まり」と呼ばれる速度低下を訴えるユーザーの声もある。各社改善を進めているが、手動で4Gに切り替えたほうが安定する場面もあるだろう(図8、図9)。


ドコモでは3日間の通信量による速度制限を設けているが、基準は明らかにしていない。現状では15ギガバイト(GB、ギガは10億)を超えても明確な制限はかからなかった。利用場所は契約時に指定した住所に限られるが、会員サイトなどから月1回、変更の手続きが可能だ(図10)。

(ライター 五十嵐俊輔)
[日経PC21 2022年1月号掲載記事を再構成]
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