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NFTがひらく貨幣経済

SmartTimes グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー 高宮慎一氏

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞日経産業新聞 Smart Times

今スタートアップ業界ではNFT(非代替性トークン)がインターネット登場以来の革命と大きな話題となっている。NTFを使うことで、デジタルのトレーディングカード、アート、ゲームや仮想空間でのアイテム、洋服などが、オンラインで一次流通(新品)のみならず、二次流通(中古)でも取引されている。

世界最大のNFTマーケット、オープンシーは2021年8月の月間流通総額は33億ドルに及び、NBAトップショットではプロバスケットの名シーンの動画が取引され20年11月のリリース後7か月で売り上げ7億ドルに到達している。また、ツイッター創業者のジャック・ドーシーの初ツイートは約3億円で取引された。

NFTはブロックチェーン技術を使い、全ての取引を記録し、追跡可能となっている。改ざんもコピーできず、データがオリジナルであり、唯一無二のオリジナルであることを担保している。その結果、データのそのものおよびそのデータに付随する資産性・価値の移転が可能となったのだ。

また、NFTは共通の技術規格を使っているので、あるゲーム内で買ったアイテムを別のマーケットで売却し、さらに別のゲームで使うといった、異なるサービス間で横断的に持ち越すことを可能としている。さらに、NFTには権利設定をすることができ、すべての取引を追跡することができるので、二次流通の収益をもともとその作品を作ったクリエーターに還元するといったことも可能だ。

販売対象もトレーディングカード、アイテムなどのデジタルな「モノ」だけでなく、会員のステータス、サービスの運営にかかわる投票権、音楽の楽曲からの収益の授受権などの「権利」も取引可能だ。

NFTはデジタルの世界におけるモノや権利の価値を定義し、取引可能にしたという点で革命的なのだ。従来のデジタルデータにおいては、データはコピー可能で、データや取引の正真性が保証されないので、デジタルデータの価値が定義できなかった。それに対して、NFTはデジタルの世界において個別のモノや権利に対して、固有の価値を定義してリアルな世界の物と同じように取引可能としたのだ。つまり、デジタルの世界に、リアルの世界の鏡写しのような貨幣経済が成り立つようにしたのだ。

一方で、NFTは話題先行で、何でもNFT化されバブルのきらいもある。デジタルの世界においても、リアルの世界と何の違いもなく「ユーザや顧客のどんな課題を解決し、どんな価値を出すのか」というのがビジネルモデル上の本質的な問いとなる。例えば電子書籍が中古で売買が可能となりユーザの利便性が向上し、中古売買でも作者や出版社に収益の一部が還元されるといった形で、ユーザや顧客価値の目線でサービスやビジネスモデルを設計することが肝要となる。

[日経産業新聞2021年11月8日付]

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