機械動作音ないロボ義足開発へ BionicMが3.7億円調達

センサーやモーターを内蔵した「ロボット義足」を手掛けるBionicM(バイオニックエム、東京・文京)はベンチャーキャピタル(VC)などから3億7000万円を調達した。調達した資金を投じてモーターなどの動作音が聞こえない義足を開発して、2025年をメドに販売する。
バイオニックエムが実施した第三者割当増資を、NECキャピタルソリューションの完全子会社であるNベンチャーキャピタルや新生企業投資、東京大学協創プラットフォーム開発などが引き受けた。
従来の義足は階段を上る際に力を入れる必要があるなど、使用者の身体的な負荷が高かった。バイオニックエムの義足ではセンサーが使用者の動きを検知しながらモーターが作動することで歩行しやすくなる。
日本と中国でロボット義足の販売を開始している。ただ販売価格は400万〜500万円で、モーターの動作音がする。次期モデルではこうした課題を解消する狙いだ。
製造コストの削減にあたっては日本国内から中国に生産拠点を移して、6月から量産する予定だ。
今回調達した資金はマーケティングや営業分野における幹部人材の採用や、米国市場での投入準備などにあてて現製品の販売拡大にもつなげる。さらなる事業展開を目指して、23年後半にも資金調達を予定している。
バイオニックエムは孫小軍代表が18年に設立した。孫氏は中国出身で、9歳のとき病気を片足を切断し、自らも義足の使用者だ。新卒でソニー(現ソニーグループ)に入社してスピーカーの設計などに携わったあと、ロボット義足の開発を志して東京大学大学院で研究に従事した。
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