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清水建設、既存コンクリでもCO2吸収 北大と塗布剤開発

清水建設は26日、既存のコンクリート造りの建造物の表面に塗ることで、二酸化炭素(CO2)の吸収を促進させる塗布剤を北海道大と開発したと発表した。コンクリート内に埋め込んだ鉄筋の腐食を抑え、建物の耐久性も向上させる。2026年ごろの実用化をめざす。

コンクリートは空気中のCO2を一定程度、吸着するが、この塗布剤を用いて吸着量を増やす。窒素や水素などでできたアミン化合物の働きによって、空気中のCO2をコンクリート内に炭酸カルシウムとして固定する仕組みだ。一般的な鉄筋コンクリート造の建物では、1立方メートルあたり18キログラムのCO2を固定するが、この塗布剤を表面に1度塗ると27~36キログラムまで吸着量が増える。数年おきに塗ることで、吸着能力を高めることができる。

コンクリートのアルカリ性が弱まる中性化や、コンクリート内部の鉄筋への塩害を抑制することもできる。これらの効果で、既存の鉄筋コンクリートの建築物の耐久性も上がるという。

清水建設によると、日本国内に現在あるコンクリート構造物の合計は、約100億立方メートルとみられる。これら全てに、今回開発した塗布剤を塗った場合、最大で3億トンのCO2吸収が可能になるとみる。一方、国内のコンクリート製造にともなうCO2排出量は年間約1500万トンとされる。CO2排出量を上回る吸収量の実現をめざす。

今後、化学メーカーとの共同研究やライセンス供与を経て、24年ごろをめどに既存建造物での実証を始める。清水建設は25年の大阪・関西万博のパビリオンで使うことや、新設するコンクリート建造物などでの活用も検討するという。

ゼネコン各社はコンクリート事業に伴って排出されるCO2の削減を急いでいる。ただ、これまでは新規のコンクリート製造に関するCO2削減技術の開発が中心だった。

鹿島と竹中工務店は21年10月に共同研究を始め、製造時にCO2を吸収するコンクリートの普及などに向け、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業に採択された。大成建設もセメント代替物を使ってCO2の排出を減らしたコンクリートに、工場から出るCO2由来の炭酸カルシウム粉末を混ぜ込む技術を開発。大林組は製紙の工程で生じる副産物をコンクリートに混入し、工程全体のCO2排出量を9割抑制する。

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