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パナソニックの電動アシスト自転車 軽量で通勤も楽に

NIKKEI STYLE

日経クロストレンド

パナソニックサイクルテック(大阪府柏原市)が、電動アシスト自転車のモーター部分であるドライブユニットを従来品に比べて約24%(約900グラム)軽量化。この「カルパワードライブユニット」を搭載した新型6車種を、2021年12月3日から順次発売する。

新型コロナウイルスの感染拡大が続いた20年度は、密にならない通勤手段、レジャーアイテムとして自転車への関心が高まり、日本国内の販売台数は前年比114%の約760万台となった(経済産業省・生産動態統計および同社による推定値)。中でも電動アシスト自転車は好調で、16年の全自転車販売台数に対する電動アシスト自転車の普及率が7.5%だったのに対し、20年は10.8%まで拡大し、約82万台が販売された(同社による推定値)。

しかし、ドライブユニットやバッテリーを搭載する電動アシスト自転車は、一般的な自転車よりも重くなる。降りて押し歩きする際など、取り回しが悪くなるのが難点だ。そこで同社は軽量化に向け、ドライブユニット内にある基板のデジタル化を進めて部品点数を削減。さらにネジ1本まで軽さにこだわったという。

街乗り・買い物用モデル「ビビ・SL」は、カルパワードライブユニットに加え、フレーム形状の一部を卵型にすることで強度を保ちながら軽量化を図った。フロントバスケット(前かご)にもカーボンを配合し、質量19.9キログラムを実現。シニア層でも使いやすいモデルとなっている。

カルパワードライブユニット搭載モデルには、通学用に使いやすい「ティモ・A」、ビビ・SLよりもアシスト走行距離が長い「ビビ・L」「ビビ・L・20」、子乗せモデルの「ギュット・クルームR・EX」「ギュット・クルームR・DX」を用意。全モデルを通して本体の軽さだけでなく、走行した際の軽さにもこだわった。

通学、通勤の電動アシスト化に期待

発表会に登壇した稲毛敏明社長によれば、同社は現在国内の電動アシスト自転車市場で約45%のシェアを占め、トップを走っているという。そのモデル構成比は、「シニア向けも含めたショッピングモデルが約半数で、次いで子乗せモデルが4分の1となっている」(稲毛社長)。

今回、カルパワードライブユニット搭載モデルを6車種発売するが、「今後、子乗せモデルの需要については、少子化を考えれば必ずしも増えるとは言えない。なおかつ、子乗せについては電動アシスト自転車の普及率がもともと高い。一方で学生向け、通勤者向けのモデルは、電動アシスト自転車の普及率が低い」(稲毛社長)とティモ・Aのような学生向け、通勤向けモデルに期待を寄せる。

さらに「免許返納率が増加傾向にある高齢者の移動手段としても、電動アシスト自転車を伸ばしていきたいと考えている」(稲毛社長)と言う。

力を入れているスポーツタイプの電動アシスト自転車(e-BIKE)についても、「欧州ではレジャーを楽しむものとして文化的に育ってきている。国内においてもe-BIKEで楽しむことを、イベントなどで認知してもらおうと考えている」(稲毛社長)と話す。

(スポーツ&自転車地理ジャーナリスト 星野知大、画像提供 パナソニックサイクルテック)

[日経クロストレンド 2021年10月20日の記事を再構成]

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