無資格者を「会計士」と誤記載、あずさや太陽なども
18事務所で確認、有報訂正数十件
監査法人トーマツとEY新日本監査法人が作成した書類に、資格を取得していないにもかかわらず「公認会計士」と記載した事案があった問題で、日本公認会計士協会は26日、上場会社監査を担当する135の事務所による自己点検と報告結果を公表した。あずさ監査法人や太陽監査法人などでも同様の事案があり、計18事務所で誤記載があったことが発覚した。
監査の有効性に影響はないが、顧客企業の有価証券報告書で会計士の人数などの訂正が数十件に及んでいるという。
誤記載が見つかった事務所では、会計士試験や実務補習後の修了考査に合格しても、多忙などを理由に公認会計士協会への登録をしないままの従業員がいた。組織として管理体制の不備や確認不足などもあった。トーマツ、EY新日本、あずさ、太陽では誤記載対象の本人が誤りを認識していたが、修正されなかったという。
会計士協会の茂木哲也会長は会見で「公認会計士登録制度の根幹に関わる非常に重い問題だ」と語り、再発防止策などを求めた。今後は同協会の執行部と独立した機関が処分内容を検討する。