KDDI、ドローンの定期配送に衛星通信「スターリンク」

KDDIは26日、土砂崩落の影響で物流が困難な埼玉県秩父市の一部地域で、ドローン(小型無人機)による食料品などの定期配送を始めたと発表した。米スペースXの衛星通信「スターリンク」を活用し、山間部など携帯電話通信が不安定な地域でもドローン配送を可能にした。
26日から3月末まで週1日、配送する。住民が注文した商品を、土砂が崩落したトンネル手前までトラックで配送する。約3キロメートル先の着陸地点まで、最大約5キログラムの食品や日用品などをドローンで届ける。秩父市やゼンリン、生活協同組合コープみらい、ドローン開発のエアロネクスト(東京・渋谷)なども協力する。
配送地域は2022年9月13日に土砂崩落が発生し、秩父市中津川地域へつながる県道が通行止めになった。現在は一部の森林管理道のみ通行ができるが、冬は降雪や凍結などで通行が難しくなるという。
KDDIはスターリンクに対応した携帯電話基地局を離陸地点の周辺に設置した。同社は22年12月に静岡県熱海市初島でスターリンクを活用した携帯電話通信の提供を始めており、山間部や離島などに対象地域を広げていく。