シーメンス、供給元含むCO2算出ツール 22年半ば提供
独シーメンス日本法人は25日、製品の二酸化炭素(CO2)排出量(カーボンフットプリント)をサプライヤー分も含めて集約、算出するツール「SiGreen」を2022年半ばから提供すると発表した。製品のCO2には、自社の製造工程などで排出される分だけでなく、サプライヤーでの排出分が含まれるが、サプライヤー分の把握が簡単ではない点が問題となっている。SiGreenにより「これまでの手作業によるプロセスをシステム化し、信頼性と効率を高める」(同社)としている。
SiGreenでは、サプライヤーが持つ認証機関発行の証明書に記載された排出量値をセットメーカーが確認できる。ブロックチェーン技術と分散型台帳技術を利用し、情報を1カ所に集めずにサプライヤーに置いて機密性を保持したまま運用できる仕組みにした。
自社の電子制御機器のプログラマブル・ロジックコントローラー(PLC)についてカーボンフットプリントを調査したところ、「自社分は10%にすぎず、90%はサプライヤー分だった」(シーメンスデジタルインダストリーズビジネスディベロプメント部長の鴫原琢氏)という。
同社はSiGreenの提供に合わせて、オープンなネットワーク基盤「Estainium」を立ち上げ、「SiGreenをEstainiumに接続する際のゲートウエイとして利用できる」(同社)ようにする。ただし、他のネットワークとの接続も可能にするとしている。
(日経クロステック/日経ものづくり 木崎健太郎)
[日経クロステック 2022年1月25日掲載]
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