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徳島大と三洋化成 紙おむつ原料からエクソソーム精製

日経クロステック

徳島大学と三洋化成工業は24日、高吸水性樹脂(SAP)を用いて、細胞から分泌される微小物質であるエクソソームを短時間で高精度、高収率に回収する精製法を開発したと発表した。従来主流の超遠心分離法が精製に2~3日かかるのに対し、新手法では2時間で処理できる。

不純物の含有率は超遠心分離法の100分の1程度、収率は5倍程度になるという。エクソソームを利用した病気の診断薬や治療薬などの開発の加速が期待できる。

エクソソームは細胞から分泌される直径50ナノ(ナノは10億分の1)~150ナノメートル程度の膜小胞で、血液や尿などの体液に含まれる。新手法の特徴は、紙おむつなどの原料としても使用されるSAPのような一般的な樹脂材料を用いる点にある。精製の大まかな手順は以下の通りだ。

まず、エクソソームを含む検体をSAPと接触させる。その際、水分や不純物はSAP内部へ取り込まれ、エクソソームはSAP界面に吸着される。これを洗浄した後、SAPからエクソソームのみを分離させる液体を添加し、エクソソームを取り出す。

新手法で使用するSAPは専用に開発したものだが、ターゲットとなる生体分子と特異的に結合する物質を利用して精製、回収する「免疫沈降法」のような高精度、高収率をうたう従来の手法と比べても、「コスト優位性がある」(三洋化成工業)。

近年、エクソソームに関する研究が活発だ。エクソソームは、細胞から細胞に運搬されることで体内の様々な現象を引き起こす。例えば、細胞間で情報を伝達したり、がんの転移に影響を与えたりすることが明らかになってきた。エクソソームを使った、もしくは標的とした病気の予防・診断・治療法の開発に期待が高まる。

今後は新手法の普及を目指し、医薬品や化粧品業界のパートナー企業を募る。また、1ミリリットルの検体を精製できる研究用試薬の販売を、2023年に開始する計画だ。

(日経クロステック/日経ものづくり 石橋拓馬)

[日経クロステック 2022年1月25日掲載]

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