エチレン生産量34年ぶり低水準 22年、国内外の需要減速

石油化学工業協会(東京・中央)は26日、化学製品の基礎原料であるエチレンの2022年1〜12月の生産量が21年比15%減の541万トンだったと発表した。新型コロナウイルス禍が響き27年ぶり低水準だった20年実績(594万トン)を下回り、1988年以来34年ぶりの歴史的な低水準に落ち込んだ。国内外の需要が減少した。
石油からつくるエチレンは自動車や家電、日用品に使う幅広い樹脂の原料となり、主要な景気指標の一つ。国内エチレン生産設備の2022年12月の稼働率は81.4%(速報ベース)となり、好不況の目安となる90%を5カ月連続で下回った。
半導体不足による自動車減産などで国内の樹脂需要が減ったほか、中国の新型コロナウイルスの感染封じ込めを狙う「ゼロコロナ」政策、欧米経済などの減速が輸出の逆風になった。