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AI診断から収益管理まで 病院DXに挑む新興100社

CBINSIGHTS
医療業界にもデジタルトランスフォーメーション(DX)の波が押し寄せている。人工知能(AI)による診断支援から収益管理の自動化まで、デジタル技術が病院業務を大きく変えようとしている。医療DXに取り組むスタートアップ100社をCBインサイツが分析した。

病院や医療システムではDXの機運が高まっている。

医療DXを手掛ける企業は患者の予約取得の支援や請求プロセスの簡素化、医療連携の強化、誤診の削減などに向けて新たなテクノロジーの開発を進めている。

日本経済新聞社は、スタートアップ企業やそれに投資するベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析する米CBインサイツ(ニューヨーク)と業務提携しています。同社の発行するスタートアップ企業やテクノロジーに関するリポートを日本語に翻訳し、日経電子版に週2回掲載しています。

さらに最近では、医療提供者が新型コロナウイルス下の医療システムの非効率な点に対処し、医療業務を合理化するのに新しいデジタルツールが役立っている。未来の病院はこうしたテクノロジーなどを駆使して治療成績を効果的に改善し、その過程でコストを削減するだろう。

CBインサイツのプラットフォームに基づき、問診票入力サイトから照会管理プラットフォームまで病院の医療提供に変革をもたらす13のカテゴリーのデジタル医療企業100社を抜き出した。

この市場マップはこの分野の企業を網羅するのが狙いではない。カテゴリーは重複している場合もあり、各社は主な用途に応じて分類されている。

カテゴリーの内訳

診療ワークフロー:診療文書の作成や医療製品の注文のデジタル化など、医師の業務やオペレーションを合理化するツールを手掛ける企業。例えば、米スキ(Suki)や米ノータブル(Notable)、米ディープスクライブ(DeepScribe)はそれぞれ、診療文書作成などの事務作業を自動化するバーチャル(仮想)アシスタントを搭載したプラットフォームを提供している。

病診連携:診察医と専門医などの連携を支援するソフトウエアプラットフォームを提供する企業。例えば、米ユナイトアス(Unite US)は交通や社会的孤立、食料不足など「健康の社会的決定要因」への対応に特化した病診連携プラットフォームを提供している。

放射線医学&病理学:医師の診断を支援する高度な可視化と画像分析ツールの開発に取り組んでいる企業。インドのキュア・ドット・AI(Qure.ai)は放射線科医による頭部や胸部のCTスキャンやX線画像のスクリーニングを支援するAIアルゴリズムを開発している。

緊急度自己判定(セルフトリアージ)&ナビゲーション:不要不急の救急外来の受診を減らすため、受診が必要かどうかなどを自分で確認できる「症状チェッカー」を開発している企業。例えば、独エイダヘルス(Ada Health)や米ジャイアント(GYANT)は対話型AIを使い、患者のセルフトリアージを自動化するチャットボットを提供している。

手術:手術を支援、教育、訓練する「デジタル手術室」ツールを提供する企業。米ケアシンタックス(Caresyntax)のデジタル手術プラットフォームは、画像、バイタル(生体)データ、移植データなどの様々なデータソースを取り込んで分析し、手術室やスタッフ、手術用備品の管理を効率化する。

問診:オンライン待合室やチャットボット(自動応答)など問診に関するソフトウエアシステムを提供し、病院や医療システムのデジタル玄関としての役割を担うスタートアップ。米ポメロヘルス(Pomelo Health)はモバイル問診票や予約の確認、デジタルを使った健康情報の収集などのツールを提供している。

収益サイクル管理:医療サービスを受ける前の保険会社への承認、病名を世界共通ルールで記号化するコーディング、医療費の徴収など請求に関連する様々な機能を自動化し、簡素化するソフトウエアシステムを開発する企業。米ジェンテム(Gentem)と米ニム(Nym)はチャージキャプチャー(医師や医療従事者がサービス提供に費やした時間を記録し、報酬に反映させるシステム)から臨床文書の作成に至るまで、自然言語処理(NLP)を使ってコーディングサイクルを自動化し、精度を高めるAIを搭載した医療用コーディングプラットフォームを手掛けている。

スケジュール調整:医療提供者のスケジュールを最適化し、事務の負担を減らす患者予約システムを提供している企業。例えば、米ペイシェントポップ(PatientPop)のプラットフォームは患者の満足度を高めて定着を促すため、オンラインの予約ポータルや自動配信の広告メールを提供している。

患者フロー:AIと予測分析を活用して患者を院内で速やかに移動させ、医療提供プロセスのボトルネックを取り除くスタートアップ。例えば、米リーンタース(LeanTaaS)は(外科医に割り当てる)手術室の時間を管理し、手術での利用率やパフォーマンスの指標をよりわかりやすく可視化することで、手術室での手術を合理化する。

データ&情報管理:病院が患者のデータなどの情報を安全に収集、保管、分析、接続できるよう支援する企業。米コモド・ヘルス(Komodo Health)のプラットフォームは実社会のデータソースを集めて分析し、医療提供者が患者を理解し、管理しやすくする医療関連のデータベースを構築している。

薬局:病院の薬局向けに在庫を管理し、処方箋を確認するプラットームを手掛ける企業。例えば、米キットチェック(Kit Check)と米オービタルRX(OrbitalRX)は病院向けに薬の在庫管理を追跡し、合理化するソフトウエアプラットフォームを提供している。一方、米キュレーター(Cureatr)のソフトウエアプラットフォームは病院の薬局に薬の有害な飲み合わせや重複、投薬量の変化などを警告し、患者の安全と服薬状況を改善する。

診断:次世代の診断テクノロジーの開発を手掛ける企業。例えば、イスラエルのアイベックス・メディカル・アナリティクス(Ibex Medical Analytics)は映像解析技術(コンピュータービジョン)や機械学習を使い、医師によるがんの生検組織診断を補い、確認する診断システムを開発している。

患者のモニタリング:病院や医療システム向けにベッドの脇か遠隔での連続モニタリングシステムを提供する企業。米バイオフォーミス(Biofourmis)のウエアラブル端末は生理学的信号を分析し、医師が患者の健康状態を絶えずモニタリングできるようにする。一方、米ボーカリス・ヘルス(Vocalis Health)は臨床医が呼吸器疾患や心血管系疾患の状況を確認・特定するのに役立つ「デジタル音声バイオマーカー」(患者の病状を判断するバイオマーカーとして音声を使う手法)の開発を進めている。

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