ゲーム用NFTを貸し出し 世界大手「YGG」が日本進出

ブロックチェーンを活用したゲームに用いる非代替性トークン(NFT)に出資するフィリピンのYGG(イールドギルドゲームス)が日本に進出した。スタートアップのForN(フォーン、東京・港)がYGGと提携し、国内の事業運営を担うと発表した。人気ゲームのNFTに出資し、国内の利用者に貸し出す仕組みなどを設ける。
ブロックチェーンゲームは専用のNFTを購入すると遊べるようになるのが一般的だ。ゲームを進めていくと、ゲーム内通貨であるトークンを得られる。トークンは取引所などを通じて実際の通貨に交換できることもあり「遊んで稼ぐゲーム」と表現される。一方でNFTの購入にかかる初期費用として数万円相当以上の暗号資産(仮想通貨)が必要になる場合が多く、利用者が限られてしまう課題がある。
YGGはゲームのNFTに出資し、利用者に貸し出す「スカラーシップ」の制度を広めた。利用者がゲームで収益を上げると、その一部を回収する仕組みだ。特にベトナム発のブロックチェーンゲーム「アクシー・インフィニティ」では、フィリピンの利用者を対象にNFTを貸し出し、貧困層の人々がゲームを通じて生活費を稼ぐという経済圏が生まれた。
フォーンは国内利用者向けのスカラーシップを運営するほか、利用者同士がコミュニケーションするツールも開発する。既に海外ではゲーム利用者向けSNS(交流サイト)の「ディスコード」が活用されているものの、英語でのコミュニケーションが主流だ。日本人でも「カジュアルに入れる仕組み」(フォーン)を設けることで、日本でブロックチェーンゲームに親しむ利用者を増やしたい考えだ。