JR東日本とENEOS、次世代電車の水素供給拠点設置へ

JR東日本とENEOSは25日、二酸化炭素(CO2)排出の少ない水素ハイブリッド電車の実用化に向け、水素を供給するステーションの設置に乗り出すと発表した。駅周辺に拠点を設けるほか、JR東が所有する鉄道向け発電所にENEOSが水素を提供する。
JR東は水素燃料電池と蓄電池を併用するハイブリッド電車「HYBARI」(ひばり)の開発を進めている。2022年3月から南武線などで試験走行し、30年までに実用化を予定している。
実用化するには、電車に水素を供給する体制をつくる必要がある。ENEOSはバスやトラックなど自動車向けの水素ステーションを全国47カ所に持つが、電車用のステーションの設置をJR東と進める。
鉄道は車と比べてCO2排出量が少ない。ただJR東はローカル線の一部などでディーゼル車両を運行している。こうした車両を水素ハイブリッド電車に置き換える。
ENEOSはJR東が川崎市に所有する火力発電所への水素供給も担う。液化天然ガス(LNG)で発電しているが、付近のENEOSの拠点から水素供給を受ける。CO2排出を抑えた形で電車に電力を供給できるとして、30年代の早期に実現を目指す。

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