ルネサス、バーチャル株主総会を可能に 定款変更へ
ルネサスエレクトロニクスは25日、インターネットでの「バーチャル株主総会」を開けるようにするための定款変更を、3月の総会に付議すると発表した。2020年の定時総会から、リアル会場とオンラインのハイブリッド型で総会を開催してきた。定款変更で感染症拡大などの緊急事態下でも総会を開催、運営できるようにする。

株主総会は従来、物理的な会場が必要とされてきた。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、インターネット上のみの開催が21年6月に施行された改正産業競争力強化法で認められるようになった。
ルネサスは、定款に「株主総会を場所の定めのない株主総会とすることができる」との項目を付け加えることを総会に諮る。定款変更後は、総会の開催ごとに取締役会が開催方法を決める手続きを取るという。
同社は、バーチャル株主総会を選択できるようにする理由として2つを挙げた。1つは移動時間や費用などの事情で出席が難しかった株主も総会に参加しやすくすること。もう1つは感染症の拡大時などに会場運営が難しくなる可能性があることだ。
バーチャル株主総会を巡っては、21年の株主総会時にも一部の企業が定款変更を付議した。ただ、議決権行使助言会社などからは「株主と経営陣の有意義な交流が妨げられる恐れがある」として慎重な意見が多かった。
ルネサスはバーチャル株主総会を開催するかどうかについて、開催時の状況や総会の議題、株主の意見を勘案して判断するとしている。通信インフラの整備や質問機会の確保などにも取り組み、「株主の権利を最優先に考える」としている。
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