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横浜ゴム、スウェーデンの農機タイヤを買収 2700億円

(更新)

横浜ゴムは25日、農機用タイヤなどを手掛けるスウェーデンのトレルボルグ・ホイール・システムズ(TWS)を買収すると発表した。買収額は約2700億円と、横浜ゴムにとって過去最大となる。乗用車向けタイヤは中国や韓国勢との競争が激化しており、安定収益が見込める産業分野へのシフトを加速する。

TWSの親会社で、シーリング材などを扱うトレルボルグから全株を取得する。欧州連合(EU)など各国の競争法に基づいて手続きを進め、2022年7~12月中の買収完了を予定している。

横浜ゴムは16年にオランダの農機タイヤメーカー、アライアンス・タイヤ・グループ(ATG)を約1300億円で買収した。今回はATG以来の大型買収だ。「買収で農機用のラインアップが増え、コスト競争力が強化できる」。同日オンラインで記者会見した山石昌孝社長は強調した。

買収資金は自己資金と借り入れでまかなう。「一時的に財務を圧迫するが、5年後くらいにDEレシオを21年末レベルに戻す」(同社)。

横浜ゴムは売上高でブリヂストン住友ゴム工業に次ぐタイヤ国内3位だ。乗用車向けはブリヂストンなどとの差が大きい。また、部品不足でトヨタ自動車を始め世界の車メーカーが生産計画を相次ぎ下方修正するなど収益が安定しづらい。

自動車向けタイヤの世界販売シェアでは、ブリヂストンが14%で首位。6位の韓国ハンコックタイヤ(6%)など中韓勢が安値攻勢で猛追する。横浜ゴムは4%と8位にとどまり、かねて産業や法人向け事業を強化する方針を示してきた。

農機用は乗用車用に比べて、景気変動の影響を受けにくい。ATGは北米やアジアに強く、TWSは欧州が中心のため補完関係にある。今回の買収で横浜ゴムの農機タイヤ事業は世界有数の事業規模となる。

TWSの生産品種は農業機械用タイヤが6割、フォークリフトなど産業用車両用が約2割だ。21年12月期の売上高は約1290億円という。横浜ゴムは同6708億円で、単純計算すると同社の売上高は約8000億円となり、国内タイヤ2位の住友ゴム(9360億円)との差は縮まる。

東海東京調査センターの杉浦誠司シニアアナリストは「乗用車用だけでは生き残りが難しい。農機用というニッチだが需要は底堅い市場で存在感を高める狙いだろう」と指摘する。

農機用タイヤは高い耐久性が求められる。「買収先の持つ技術を取り込む」(別のアナリスト)狙いもありそうだ。

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