東京メトロ10円値上げ 28年ぶり、全路線で23年3月ごろ
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東京地下鉄(東京メトロ)は25日、2023年3月ごろから全路線の運賃を10円引き上げると発表した。切符の初乗り運賃は現在170円だが、改定後は180円になる。同社の運賃の値上げは消費増税に伴う上乗せを除くと28年ぶりとなる。エレベーターやホームドアの整備など駅構内のバリアフリーの推進に充てる。
通勤定期も1カ月分で370円、3カ月分で1050円または1060円、6カ月分では1990円または2000円引き上げる。通学定期は運賃を据え置く。
運賃引き上げはエレベーター設置などにかかる費用をまかなうため、国土交通省が一定額の値上げを認めるよう制度改正したことを受けた措置。東京メトロはすでに値上げを表明しており、25日に具体的な料金設定やバリアフリー化のための整備計画を国交省に申請した。JR東日本も同制度に基づき、23年3月から山手線などで一律10円引き上げる。
東京メトロは運賃の引き上げにより、5ポイント程度の旅客運輸収入の押し上げ効果を見込む。24年度の旅客運輸収入として、運賃引き上げがなければ新型コロナウイルス感染拡大前に比べて85%の水準を予想するが、値上げによって9割まで改善する見通しだ。
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