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宇宙飛行士・古川聡氏ら責任者の医学研究で不適切行為

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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は25日、宇宙飛行士の古川聡氏らが責任者を務めた宇宙に関する医学研究で、データの取り扱いなどに不適切な事案があったことを発表した。宇宙基地のような宇宙での閉鎖環境を想定した実験で、存在しないデータを作成したり、データを書き換えたりする事例などがあった。古川氏の直接の関与はなかったが、管理監督責任があるという。

古川氏は2023年ごろをメドに、2回目の国際宇宙ステーション(ISS)への長期滞在を計画している。JAXAは研究に関する医学的な指針に違反するとして、古川氏を含む関係者を処分する方針だ。処分内容は今後検討する。23年の宇宙飛行について、予定の変更は「今のところ考えていない」(JAXA)。

25日に記者会見をしたJAXAの佐々木宏理事は「国民の皆さまの負託にこたえられなかった。関係者の皆さまに深くおわび申し上げる」と話した。

対象の研究は16年から始めた。宇宙ステーションなどでの長期滞在におけるストレスを評価する目的で、健康な人を閉鎖環境に約2週間滞在させて、そのストレスの程度を血液検査や面談などで評価する。

20年11月にJAXA内の研究に関する倫理審査委員会などから不適切な行為があった可能性について指摘があり、JAXAは対策検討チームを設けて、21年10月から調査、検討を進めた。

調査したところ、実施していない面談の記録があったほか、診断結果の書き換えが複数確認された。アンケートについては多数の計算ミスや不適切なデータ管理があり、研究ノートの作成も不十分だった。研究の実施を評価するJAXA内の外部諮問委員会の評価を受けずに実施した試験もあった。

JAXAは原因について「経験や知見がある人材が不十分で、適切な指導者がおらず十分な教育指導がなかった。組織として医学研究に対する認識の甘さと経験不足があった」などとしている。

再発防止策についてはデータ管理の研修やデータ管理状況の定期点検などを進める。専門的な知識のある人材の育成や審査手順の改善などを挙げている。

古川氏は1999年に宇宙飛行士に選抜され、2011年にISSに長期滞在した。佐々木理事は「(古川氏の)直接の関与はなかったが、管理監督責任がある」と話した。

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