月探査「アルテミス計画」向け宇宙服 米アクシオム開発

米航空宇宙局(NASA)と新興宇宙開発企業の米アクシオム・スペースは、宇宙飛行士の月面探査での使用を想定した新たな宇宙服の試作品を公開した。2025年以降の有人での月面着陸と探査を目指す「アルテミス計画」での使用を想定する。

新型の宇宙服はアクシオム・スペースが開発した。NASAによると可動域の広さや柔軟性の高さなどが特徴で、サイズは米国人の90%以上に対応できるという。
月面は極めて高温になることもあるため、熱を反射して宇宙飛行士を守るために宇宙服は白色を基調とする必要がある。発表した試作品は展示用のため黒みがかった色だが、最終的に月面で使用する完成品は白色とする計画だ。アクシオム・スペースはまずは23年夏に、訓練用の宇宙服をNASAに納入する予定だ。
NASAはアルテミス計画を含む宇宙開発において、低コスト化などを目的に民間企業との協力を深めている。22年にアクシオム・スペースを宇宙服の開発企業に選んでいた。
アルテミス計画は1960〜70年代の「アポロ計画」以来の有人での月面着陸を目指すミッションで、米国が主導し日本や欧州なども加わっている。2022年に第1段となる宇宙船の無人飛行試験が完了した。24年の有人試験後、25年以降に月面着陸を目指す。