ソニーG、21年ぶり高値 インド放送事業の強化に期待
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24日の東京株式市場で、ソニーグループ株が5日続伸し、前日比640円(5%)高の1万3000円と、約21年5カ月ぶりの高値で取引を終えた。同社は22日、インド子会社が現地の放送大手と経営統合すると発表した。統合会社は放送事業でインド最大手となる見込みで、事業拡大を好感した機関投資家を中心に買いが広がった。

売買代金は885億円と東証1部の4位だった。22日、ソニー・ピクチャーズ・ネットワーク・インディア(SPNI)とインドのジー・エンターテインメント・エンタープライゼズが90日間の統合交渉に入る契約を結んだと発表した。競争当局などの審査を経て、2022年以降の統合となる見通しだ。SPNIは、ジー社との統合で、番組制作やコンテンツIP(知的財産)などメディアとしての競争力を高める狙いがある。
SMBC日興証券の桂竜輔シニアアナリストは、経営統合について22日付のリポートで「(ソニーGは)インドを重要な成長市場として位置づけており、その戦略の方向性に違和感はない」とコメントした。
予想PER(株価収益率)は23倍。松井証券の窪田朋一郎氏は「電機メーカーとしてみれば割高な水準だが、コンテンツを扱うネットサービス企業としては株価の上昇余地は残る」と指摘した。