ヤマト、石川の生鮮品を台湾に輸出 那覇経由で検証

ヤマトホールディングス(HD)傘下のヤマト運輸は25日午後、石川県産の生鮮品を那覇空港経由で台湾に輸出する検証をする。沖縄県、台湾の中華航空(チャイナエアライン)と協力する。
集荷した石川県産の野菜、果物、魚類の通関・検疫を済ませ、小松空港から空輸する。旅客便の貨物スペースを活用して運び、那覇経由で25日夜に台北に到着する。3月にも約1年ぶりに沖縄県産の青果類などを那覇から台北へ空輸したが、今回はヤマトの集配ネットワークを活用した地方発の輸出体制を検証する。
那覇空港は国際物流拠点化を進めてきたが、国際線は20年4月から全便運休となった。22年8月に再開したが、コロナの影響で2週間で休止に戻った。那覇空港からの輸出時は海外への直行便がないため、東京を経由しなければならない。
那覇から台北への直行便は約1時間半だが、東京経由は荷物の積み替えなどで8時間以上かかる。生鮮品は鮮度が落ちる懸念もある。

ヤマトは那覇空港での国際旅客機の運航再開を目指す沖縄県に協力し、荷主の需要や採算性などを確認して定期便の復活を目指す。国内外の航空会社とともに、那覇空港経由で冷蔵・冷凍品を空輸する国際クール便を手がけてきたが、日本全国の輸配送網を活用した輸出体制を構築したい考え。
日本の青果類など生鮮品はアジア各国で人気が高く、沖縄県の描く那覇空港の国際物流拠点化が進めば荷主のメリットは大きい。ヤマトは今後、こうした輸出の検証を行い、貨物定期便の再開を目指していく。同社広報担当者は「地方空港と那覇空港を活用した新たな販路拡大の仕組みを構築し、地域産業の活性化に貢献したい」と話す。

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