ロフト、次のトレンドコスメ100種選出 注目の一品は

生活雑貨店「ロフト」が、売れ筋商品とバイヤーが次のトレンドとして注目する「ネクストコスメ」を合わせた100種類を選出した「ロフトベストコスメ2021」を、2022年1月10日まで全国のロフトとロフトネットストアで展開した。新型コロナウイルス禍に対応した新しい生活様式に合わせ、コスメトレンドも変化している。
肌荒れや乾燥対策商品が人気
2021年1~8月期の販売実績による「ロフトベストコスメ2021 TOP5」には、マスク着用による肌荒れや乾燥対策商品が多くランクイン。
1位となったのは、韓国コスメとして圧倒的人気となっているVT COSMETICSのボックスタイプのシートマスク「VT COSMETICSシカデイリースージングマスク」(2420円、ロフト販売価格、税込み、以下同)。ボックスから専用ピンセットで1枚ずつ取り出せるので使い勝手もよく、たっぷり30枚入っている。朝晩2回使用しているユーザーもいるという。5位には「VT COSMETICSシカクリーム」(2731円)もランクイン。ジェル状の質感でべたつき過ぎず、さまざまな肌質に使えるところが受けている。

「20年はアジアンコスメとして中国コスメなども注目されたが、韓国コスメは根強い人気があり、購入層も幅広い。中でもVT COSMETICSは安定的に売れている」とロフト広報の田中寛子氏。

20年に1、2位を独占した化粧下地「ラ ロッシュ ポゼ UV イデア XL プロテクショントーンアップシリーズ」は21年も上位にランクイン。色の付かないトーンアップ下地「プロテクショントーンアップ」は殿堂入りに認定された。


好調続く「プロデュース系コスメ」
そのほか、ネクストコスメとして注目されているのが、プロデュース系コスメと高級まつげ美容液だ。「コスメ好きはSNSで情報収集するため、著名人や有名なユーチューバー、インスタグラマーが手掛けたものの人気は高い。プロデュース系コスメは21年も好調で、22年以降もその傾向は続く」とロフト田中氏。
HKT48の元メンバーで、IZ*ONEのメンバーとしても日韓で活躍した宮脇咲良さんは「CRAN BY MOLAK(クラン バイ モラク)」をプロデュース。商品はアイメイク主流のマスク生活において、あえて「ティントリップ」3色だ。
コロナ禍でも売れる口紅は、韓国コスメからブレイクした、唇の水分量によって発色する落ちにくいティントリップと言われている。mano manoプロジェクトマネージャーの幸野浩子氏によると「宮脇さん自身もティントを使っていて、韓国のものは発色が強くて使いにくさを感じていた。それならば、薄付きで自分で好みの濃さに調節可能な使いやすいものを作りたいと企画。『咲良ちゃんといえばピンク』というイメージがファンの間で定着していることから、あえて本人の好きなピンク系3色のみを発売した」という。
同社では過去にもプロデュース商品を企画しているが、「プロデュースする本人が妥協したものや気に入っていないものだと気乗りせず、SNSなどでも紹介しにくいし、何よりファンも気づいてしまう。プロデュース商品はとことん本人のこだわりを追求し、お気に入りの商品づくりをすることが大切。今回も、何より宮脇さんがリップ大好き、ピンク大好きということが原点にある」(幸野氏)。


長引くマスク生活、目元への気配りへ
メイク市場で特に伸びているのがまつげ美容液だという。「マスク生活による目元重視のメイクトレンドから、伸びしろがある商品として高額化が進んでいる」(ロフト田中氏)。


お風呂の中で使える"インバス"商品
そのほか、「20年はヘアケアでも洗い流しが不要な"アウトバス"商品が人気だったが、21年はお風呂の中で使える"インバス"商品が注目されている。健康志向の高まりで快眠や良眠が注目され、寝ている時間を心地よくしたり上質な睡眠環境を整えたりする商品が人気があるが、コスメ関連商品にも波及している」とロフト田中氏はいう。
薬用BARTH中性重炭酸入浴剤は、重炭酸入浴剤の火付け役的存在。無香料で、9錠(3回分)990円と高額ながら人気。同ブランドを手掛けるTWOの担当者は「入浴剤市場全体が伸びている。以前は香りで癒やされるものが主流だったが、今はよく眠れる、疲れが取れることを目的に購入する人が増えている。よく眠るためにベッドを買い替えることを考えると入浴剤は安価で手を出しやすい。スポーツ関連の疲れを取りたい人にも需要がある」という。12月にはボディークリームも発売。風呂場でぬれた素肌に使用するインバスタイプの商品だ。


(ライター 吉田理栄子)
[日経クロストレンド 2021年12月21日の記事を再構成]
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