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リカレントとリスキリング

SmartTimes インディゴブルー会⻑ 柴田励司氏

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞日経産業新聞 Smart Times

リカレントとリスキリング。混同されがちだがその一般的な定義は異なる。社会人になった後も教育機関や社会人向け講座に戻り、学び直す。これがリカレント教育で本人主導とされている。リスキリングは会社が主導。技術革新やビジネスモデルの変化に対応するために新しいスキルを学ぶことを意味する。

リスキリングが会社主導とされているのは、それが会社の変革の手段だからだ。店舗で小売りしていた事業者がネット販売に変えようとしたときに、求められる社員のスキルは当然変わってくる。

対面による接客スキルではなく、ネットを通じたコミュニケーションスキルに転じてもらう必要がある。小売りをネット販売に変えることを決めるのは会社。だから会社主導となる。

求められるスキルが変わると個々の社員の行動、ひいては組織行動も変わる。マネジャー像も変わる。新型コロナ禍でリモートワークが当たり前になった。リモートワークのためのスキルの習得。これもリスキリングの一つだ。

一方でこの働き方の変化は社員に対する考え方を「性悪説」から「性善説」に変えることを意味している。何をしているか常に目を光らせていないと社員がサボるという考え方を捨てることが前提だ。

この性悪説のままでリモートワークのメンバーを管理しようとすると、その労力たるや大変なことになる。パソコンの稼働状況、その内容を常に監視するサービスがあるが、確実にメンバーの意欲は落ちる。

性善説に基づくマネジメントのために、上司部下、社員相互の信頼の醸成がより重要になっている。マネジャーはプレーヤー比率を下げて、これまでよりも個々のメンバーに向き合うことが必要だ。育成にしても、リモート下で「俺のやり方を見て覚えろ」では無理がある。すでにマネジャー像は変わっている。昔のままのスタイルで組織運営をしていると、マネジャーもメンバーも疲弊し組織が崩壊する。

社員の立場として、大事なことは学び続けるということ。企業主導のリスキリング用カリキュラムで学ぶことを推奨する。そこで働き続けるためには必要だ。ただし、学びの主体はあくまでも自分であるべし。何を学びたいか、どうなりたいか。自分の意思で楽しく働き続けたいのであれば、これらを自分から考えた方がいい。

私が発起人のPHAZEで始めた「PHAZEリカレント~アラフィフの学び直し」も4月に第5期が開講した。過去の受講生たちの多くが3カ月の朝活を終えた後も、リカレントプラスと銘打って自主的に集まり、学び続けている。利害関係のない仲間たちと学び続けるうちに楽しさを知り、学びが自分ごとになっている。プロデューサーとしてはうれしい限りだ。

[日経産業新聞2022年6月1日付]

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