三菱ガス化学、ベア月1万2000円 組合要求上回る
三菱ガス化学は24日、2023年の春季労使交渉で、基本給を底上げするベースアップ(ベア)について月額1万2000円とすると発表した。労働組合の要求(平均1万500円)を上回る。非管理職の正社員と、定年退職後の再雇用社員をベアの対象にする。組合員平均では定期昇給と合わせて5%以上の賃上げとなる。
同社は「約30年ぶりの高水準」としている。管理職や嘱託社員も賃上げを予定している。人材確保の観点から博士課程修了など大卒以上の若手社員には初任給引き上げなどベア以外の処遇改善も検討する。
賃上げは賃金水準を一律に引き上げるベースアップと、勤続年数が上がるごとに増える定期昇給からなる。2014年春季労使交渉(春闘)から政府が産業界に対し賃上げを求める「官製春闘」が始まった。産業界では正社員間でも賃金要求に差をつける「脱一律」の動きが広がる。年功序列モデルが崩れ、生産性向上のために成果や役割に応じて賃金に差をつける流れが強まり、一律での賃上げ要求の意義は薄れている。
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