ネット広告費、テレビなど4媒体合計初めて上回る 21年
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電通は24日、2021年の日本の広告費に関する調査を発表した。インターネット広告費は前年比21%増の2兆7052億円と初めて新聞、雑誌、ラジオ、テレビの「マスコミ4媒体」の広告費を上回った。巣ごもり消費による電子商取引(EC)市場拡大などが貢献した。

日本の広告費全体は10%増の6兆7998億円だった。下半期にかけて企業活動が再開して広告宣伝費が増えたほか、東京五輪など大型イベントが開催され広告需要を後押しした。
ネット広告費は1997年に前年実績の推定を開始して以来初めてマスコミ4媒体を上回った。広告費全体に占めるネット広告費の構成比は40%だった。ECプラットフォーム上での広告費が23%増の1631億円と、巣ごもり消費の需要がネット広告の拡大に貢献した。
マスコミ4媒体は9%増の2兆4538億円だった。4媒体のいずれも20年を上回った。民放のテレビ番組をネットで配信する「TVer(ティーバー)」や電子雑誌などのデジタルサービスの拡大に伴い、マスコミ4媒体由来のネット広告費は32%増の1061億円だった。