メンタルヘルス改善アプリ急成長 米ウーバーも活用 - 日本経済新聞
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メンタルヘルス改善アプリ急成長 米ウーバーも活用

メンタルヘルスを改善するサービスが世界で急成長している。英アンマインド(Unmind)が手掛ける従業員向けアプリもその一つで、米ウーバーテクノロジーズや韓国サムスン電子を顧客に持つ。新型コロナウイルス禍などによるストレス増加で同アプリの利用が広がっていることから、同社は事業拡大に向けて各国のベンチャーキャピタル(VC)から新たな資金を調達した。CBインサイツがアンマインドに出資する投資家や競合企業を分析した。

従業員のメンタルヘルスをケアするアプリを運営する英アンマインドがシリーズBで4700万ドルを調達した。このラウンドにはスウェーデンのEQTベンチャーズ、米サファイア・ベンチャーズ、独プロジェクトAベンチャーズ、英フェリックス・キャピタルなどが参加した。

アンマインドの実績

・ロンドンに拠点を置くアンマインドは、従業員のストレスを減らすために自習型プログラムや問診、心身の健康管理によって企業の生産性を向上する「EAP(従業員支援プログラム)」などを提供する。

日本経済新聞社は、スタートアップ企業やそれに投資するベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析する米CBインサイツ(ニューヨーク)と業務提携しています。同社の発行するスタートアップ企業やテクノロジーに関するリポートを日本語に翻訳し、日経電子版に週2回掲載しています。

・同社のアプリは企業の従業員の最大60%に使われているとされる。同社によると、アプリを使っている従業員の88%に精神状態や仕事の能率、人間関係の改善がみられた。

・売上高はこの1年で3倍に増えた。英小売り大手マークス・アンド・スペンサー(M&S)、米ウーバーテクノロジーズ、韓国サムスン電子、英金融大手TSB、英航空大手ブリティッシュ・エアウェイズなど顧客企業は100社に上る。

なぜ従業員向けメンタルヘルスケア市場が重要なのか

・調査会社モードー・インテリジェンスの予測では、企業の従業員向けウエルネス(心身の健康)市場は年6.5%成長し、2026年には83億ドルに達する。

・オンラインでのサポートや相談サービスのコスト優位性や手軽さ、メンタルヘルスに対する意識の向上が業界の成長に拍車をかけている。

・新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により、ストレスや不安の増加、気分の落ち込みに対処するオンラインのメンタルヘルスサービスの需要はますます増えている。

競合企業は

・米モダンヘルス(Modern Health、未上場):デジタル技術を活用した認知行動療法プラットフォームを手掛ける。社債発行を含めた資金調達総額は1億6800万ドル。

・米ハッピファイ(Happify、未上場):デジタル技術を活用したセラピーやケアを提供する。社債発行を含めた調達総額は1億1800万ドル。

・米ライラヘルス(Lyra Health、未上場):従業員とその扶養家族を対象にヘルスケアの福利厚生サービスを提供する。調達総額は4億7100万ドル。

誰がアンマインドに投資しているか

投資家:

・アンマインドのシリーズBにはEQTベンチャーズ、サファイア・ベンチャーズ、プロジェクトA、フェリックス・キャピタルなどが参加した。

資金調達と企業価値:

・調達総額:6090万ドル

・企業価値:非公表

次の一手は

アンマインドは調達資金を次の分野に振り向ける。

・海外事業を拡大し、各拠点で人材採用を推進

・事業強化に向けた新たな研究テーマの調査、プラットフォームのコンテンツの機能拡充、統合

・臨床的に支持された手法でのケア、調査、知見の導入

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