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スズキの鈴木会長退任 最後の株主総会「販売店に感謝」 

スズキの定時株主総会が25日、開かれ、43年にわたって社長、会長を務めた鈴木修氏が退任した。相談役に残るものの、経営の第一線から退く。息子の鈴木俊宏社長を中心とする集団経営体制に移行し、電動化などの経営課題に取り組む。

「メーカーはつくっておしまいではない。つくって売ってなんぼ。4万を超える販売店の皆様、そしてお客様に感謝、感謝いたします」

株主総会の最後、鈴木氏は壇上に立ち、販売店や顧客に感謝の言葉を述べた。鈴木氏は積極的に販売現場を回ったことで知られる。オーナーが集まるパーティーで自らテーブルに行ってお酌をするなど、販売店との関係を深めてきた。

「数多くの失敗をしたが、多くの学びがあり成長することができた」とも話した。生き馬の目を抜く自動車業界で生き残るため、必要があれば他社との提携も大胆に実行した。

米ゼネラル・モーターズ(GM)との約30年間の資本提携では生産技術などを学んだ。だが、その後提携した独フォルクスワーゲン(VW)とは折り合いが悪く、提携解消を求めて国際調停にまで発展した。その後、16年にトヨタ自動車との業務提携の検討を開始。電動化分野などでの協力を念頭に、19年には資本提携に至った。

静岡県の中小企業だったスズキを世界大手の自動車メーカーまで育て上げた鈴木氏。だが、スズキを取り巻く現状に危機感を持つ。退任直前の今月8日に応じた日本経済新聞などのインタビューでは、「既存の自動車産業のピラミッドは崩れる」と指摘。自動車産業は部品会社も含め、電動化で抜本的に変わるとの見方を示した。

スズキは国内の軽自動車販売で、ハイブリッド車(HV)比率を約7割に高めている。しかしすべて簡易型のHVで、本格的なHVや電気自動車(EV)は展開していない。

25年までに電動化技術を整える方針で、25日の株主総会では、同年までにインド市場に本格的なHVを投入していく考えを明らかにした。だがEVはバッテリーなどの搭載でコストが跳ね上がり、軽自動車の価格優位性は崩れる。価格と性能のバランスをどう保つかは今後の課題だ。

成長を続けていたインド市場でも、韓国や地場メーカーとの競争が激化している。20年度のシェアは前年度を割り込んだ。

鈴木氏が退任を発表した2月の会見で、鈴木社長は「軽自動車を守り抜くのが自分のやるべきこと」と述べた。トヨタ出身で20年にスズキに入社し社長補佐を務める石井直己専務役員など、鈴木社長を支える布陣は固まりつつある。

電動化や新興国の台頭でこれまでとは競争軸が大きく変わる中、新たな形のリーダーシップを見いだせるかが問われている。

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