森ビル、デジタルアート美術館を虎ノ門に移転 23年開業
森ビルは24日、東京都臨海部のお台場にあるデジタルアートミュージアムを東京都港区で開発中の「虎ノ門・麻布台プロジェクト」に移転すると発表した。現在の施設は周辺エリアの再開発に伴い8月末で閉館。新施設は2023年に開業する予定だ。広さや展示内容などは今後詰める。

施設名は「森ビル デジタルアート ミュージアム:チームラボボーダレス」で、18年6月にお台場にある大型複合施設「パレットタウン」内に開業した。デジタルアート制作のチームラボ(東京・千代田)と共同で運営してきた。
館内では大空間の壁や天井、床にCG(コンピューターグラフィックス)で滝や植物を映し出し、色が変わる無数のランプをつるす作品も展示した。ユニークなアート体験が楽しめる場所として、初年度だけで国内外から約230万人が訪れ、週末を中心に行列のできる人気施設となった。
ただ、お台場エリアの再開発を受け、パレットタウンは21年12月から順次営業を終了。商業施設「ヴィーナスフォート」やトヨタ自動車の大型ショールーム「メガウェブ」、ライブハウス「Zepp Tokyo」などに続き、デジタルアートミュージアムも8月末に閉館する。
移転する「虎ノ門・麻布台プロジェクト」は約8万1千平方メートルの区域面積に、高さ約330メートルの超高層ビルを建設し、インターナショナルスクールや高級ホテルなども誘致する。事業費は約5800億円と大規模な再開発となる。デジタルアートミュージアムは再開発エリアの一角の地下空間で開業する見通しだ。

具体的な開業時期や施設の広さ、展示作品の概要などは非公表としている。24日開いた説明会で、森ビルの杉山央・新領域企画部課長は「都内で都市間競争が強まるなか、他にはないデジタルアートを街づくりの強みとしてにぎわいを生み出したい」と語った。