森ビル、「虎ノ門ヒルズ」に駅直結の高層ビル 今秋開業

森ビルは24日、2023年秋に東京都港区の「虎ノ門ヒルズ」エリアに開業予定の「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」の概要を発表した。東京メトロ日比谷線の「虎ノ門ヒルズ駅」に直結する地上49階、地下4階建てで、オフィスやホテルが入る。
ビルは高さ266メートルで、オフィスが15〜44階を中心に計32フロアと全体の半分以上を占める。「虎ノ門ヒルズ」の名称で同エリアで進める再開発計画として、当初予定していた最後の高層ビルで、一つの節目となる。
オフィスの1フロアの広さは約3400平方メートル。地下2階から地上7階には飲食店や物販店、ジムやサウナを含む施設など約80店舗が出店する。客室数が205室のホテル「ホテル虎ノ門ヒルズ」も11〜14階部分に開業する。

最上部(45〜49階)には情報発信拠点「TOKYO NODE」を設ける。約1万平方メートルの広さにメインホールやギャラリーがあり、企業などのイベントや発表会に対応する。屋上にはプールやスカイガーデンもある。
虎ノ門ヒルズ駅と一体開発し、駅前には約2000平方メートルの広場もできる。桜田通りの上に歩行者デッキを整備し、近くに建つ「虎ノ門ヒルズ 森タワー」など周辺エリアと行き来する利便性を高め、回遊性の向上を進める。
森ビルの辻慎吾社長は24日の記者発表会で、「世界との都市間競争に勝ち抜くには、国際水準のオフィスや住宅、情報発信拠点などが欠かせない。ステーションタワーの開業で世界的な企業などを引き付け、東京の磁力を高めたい」と語った。

森ビルは虎ノ門が創業の地で、戦略エリアとして再開発を進めてきた。14年に完成した「虎ノ門ヒルズ 森タワー」をはじめ、20年に「同ビジネスタワー」、22年に「同レジデンシャルタワー」を完成させた。
「ステーションタワー」が完成すると、「虎ノ門ヒルズ」全体の区域面積は約7万5000平方メートル、延べ床面積は約80万平方メートルとなる。六本木ヒルズに匹敵するにぎわいのある街を進めていく。
米メタなどIT(情報技術)大手が人員削減に動き、オフィス需要が縮小する懸念もある。森ビルは米グーグルなど外資系企業の入居も多いが、辻氏は「ステーションタワーのオフィスは3分の2の入居が決まっており、年内に全ての成約を目指す」と説明した。「(米IT大手は)新型コロナ前まで業績好調でオフィスを広げてきた。波はあっても成長を続けていく」との見方も示した。
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