三菱ケミカル、石化事業「JV方式」で統合 23年度めど
三菱ケミカルグループは24日、2023年度をめどに分離する方針を掲げている石油化学(石化)事業について、共同事業体(JV)方式を活用し他社と統合させる方針を明らかにした。同様に分離を公表済みの炭素事業については23年度中に売却する方針だ。同社が都内で開いた経営戦略説明会でジョンマーク・ギルソン社長が語った。
石化事業の分離はギルソン社長が21年末に表明。「日本の主要石化プレーヤーとの統合のほか、新規株式公開(IPO)や株式売却も選択肢。中期的なゴールは石化・炭素事業を完全に切り離すこと」と話していた。
今後、他社や投資家などが再編を検討しやすいように、石化事業の損益計算書と貸借対照表を別途作成し開示する方針を示した。石化事業を切り離した際にグループに残る機能商品などの事業の業績を投資家にわかるようにする狙いもある。
三菱ケミカルは24日、21年末に示した25年度までの財務目標の見直しも公表した。低収益事業の縮小・撤退を進める事業構造改革を積極化する。事業撤退や拠点の閉鎖、統合などを通じてグループ会社数を25年度に21年度比25%、従業員数を同10%それぞれ削減する。
25年度までに1000億円のコスト削減を実行するという目標については削減幅を約1350億円に拡大。25年度の売上収益は21年末時点目標の3兆円から今回、約3兆3750億円、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は同5400億〜5600億円としていたのを約6000億円に目標を上方修正した。
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