JAL、パリ貨物便シアトル経由に 燃料抑え輸送量確保

日本航空(JAL)は24日、3月27日~4月7日に成田-パリ線の貨物便を米シアトル経由のルートで運航すると発表した。シアトルで途中給油することで燃料の搭載量を抑え、貨物の輸送容量を確保する。ロシア上空飛行に比べて所要時間は増えるが、国際貨物輸送の需給が逼迫する中、代替ルートで貨物便を運航する。
JALは通常の欧州路線ではロシア上空を飛行するが、ウクライナ情勢を受けてロシア上空の飛行が無保険となるリスクなどが高まっている。4日から羽田―ロンドン線は米アラスカ上空を飛行する「北回り」の航路で旅客と貨物を運んでいたが、飛行時間が延びる分、必要な燃料が増え、輸送容量が大幅に落ちていた。
シアトルを経由することで、通常の航路でパリに貨物便を運航した場合とおおむね同規模の貨物が輸送可能になるとみられる。所要時間は往路で従来比8時間20分(7割弱)、復路で10時間40分(9割)増える。シアトルでは乗員の交代も行う。
3月27日~4月7日は羽田―ロンドン線の旅客便を1日1~2往復させるほか、新たに羽田-ヘルシンキ線の旅客便も北回りで週に3.5往復する。ロシアと欧州各国の相互の領空閉鎖などでヘルシンキ発の貨物も滞留しており、旅客便で貨物輸送の需要にも応える。フランクフルト線とモスクワ線は運休する。
全日本空輸(ANA)も羽田発フランクフルト行きの一部の便はウィーンで途中給油を行っている。日本発欧州行きの航空貨物輸送では自動車部品や医薬品など、復路ではコンタクトレンズや飲食料品などが運ばれている。

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