オムニビジョン、車載センサーの新製品 首位視野へ

「車載イメージセンサーの世界市場で、2021年のシェア(市場占有率)は2位だったが、22年は首位になれる」――。米オムニビジョン・テクノロジーズ日本支社長の薄井明英氏は、21日のオンライン会見で今後の車載センサー事業に対する自信をこうのぞかせた。
世界の車載イメージセンサー市場では現在、米オンセミがシェア首位である。オムニビジョンの同センサー事業の売上高は、21年第3四半期累計で前年同期比23%増となった。
薄井氏は「車載イメージセンサーの市場規模と当社が出荷する予定台数などを考えると、22年にはシェア首位になれる見通し」とした。ソニーも追い上げている。今後、各社の競争は激しくなりそうだ。
シェア首位を目指すオムニビジョンは同日の会見で、新たに3つの車載CMOS(相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサーを発表した。日本支社で車載製品担当のシニアマーケティングマネージャーである張啓文(ケルビン・チャン)氏は「いずれもサンプル出荷中であり、23年内に量産を始める」と明かした。
第1の製品は、運転者と乗員を同時に監視できる「OX05B1S」である。可視光(RGB)と近赤外光(NIR)に、1台のカメラで対応できるという。画素数は500万で、画素サイズは2.2マイクロメートル(マイクロは100万分の1)と小さい。高いNIR感度も実現した。
第2の製品は車載カメラ向けの「OX03D4C」。サラウンドビューカメラやリアビューカメラ、電子ミラーなどに使える。画素数は300万で、画素サイズは2.1マイクロメートルであり、前述のOX05B1Sより小さい。 電子ミラーで問題となる発光ダイオード(LED)フリッカーを軽減する機能なども備える。

第3の製品は、米ザイリンクスや中国Motovisと共同開発した。先進運転支援システム(ADAS)の前方監視用カメラに使える。画素数は800万で、ザイリンクスのSoC(システムオンチップ)やMotovisのIP(Intellectual Property)を搭載する。「カメラの水平視野角を広げ、ADASの安全性を向上できる」(張氏)とする。
(日経クロステック/日経Automotive 高田隆)
[日経クロステック 2022年1月21日掲載]
関連リンク