取次大手の日販GHD最終増益、4~9月 トーハンは減益

出版取次大手の日販グループホールディングス(日販GHD)とトーハンは24日、2021年4~9月期の連結決算をそれぞれ発表した。純利益は日販GHDが書籍販売の増加や物流費の削減などで前年同期の3倍となった一方、トーハンは本社建て替えに伴う特別損失の計上が響き53%減った。
日販GHDの純利益は前年同期の3倍の9億8200万円だった。傘下で取次事業を担う日本出版販売で、人件費や輸送コストなどの削減に取り組んだことが寄与した。5月に進めた一部の運送拠点の改修も輸送費の圧縮につながった。売上高は20年に相次いだ書店の休業が落ち着いた影響で、1%増の2463億円だった。

トーハンの純利益は53%減の4億7800万円、売上高は10%増の2130億円だった。
両社は出版物流改革を進めているが、現状は厳しい状況にある。雑誌の返品率は両社とも50%程度と高止まりしており、収益の押し下げ要因となっている。運転手不足などで物流コストが高まっていることをうけ、出版社には「運賃協力金」を要請している。16年ごろから交渉している日販は、一部のみの支払いも含め「700社超」(同社)から受け取っているという。