/

行動制限ない初売り、高島屋などの売り上げ2~3割増

(更新)

2023年の初売り商戦が2日から本格的に始まった。百貨店各社が初売りを始め、高島屋日本橋店(東京・中央)では同日の売り上げが前年を約30%上回った。物価高のなかで、お得感をうたった福袋や新春セールが好調だった。3年ぶりに行動制限のない新年を迎え、百貨店からは「想定以上の人出」との声が聞かれた。

伊勢丹新宿本店(東京・新宿)では開店前から前年を15%上回る約7470人が並び、午前10時の開店後も行列は20分ほど途切れなかった。2日の売上高は前年比15%増え、新型コロナウイルス感染拡大前の20年比で約8割の水準だった。

高島屋日本橋店は2日の初売り開始に合わせて約460種類、1万4000個の福袋を用意した。2日の売上高と入店客数はともに前年を約30%上回り、売上高はコロナ前の約8割の水準という。

松屋銀座店(東京・中央)では食品や婦人雑貨の福袋が人気だった。午前10時の開店直後は一時、地下1階の食品売り場が来店客で通路が埋まるほどの混雑となり、「コロナ前の風景が戻ってきた」(担当者)。食品の福袋は前年並みの数を用意していたが、大半のブランドは開店から1時間ほどで完売した。

大丸心斎橋店(大阪市)では、2日の初売りで1階に金や真珠など宝飾品の特設売り場を設け、小判などが入った150万円の福袋などを販売した。大阪市の主婦(61)は約40万円分の真珠のネックレスとブレスレットのセットを購入した。

あべのハルカス近鉄本店(大阪市)は予定より15分早い9時15分に開店した。開店前の行列は約5200人で、コロナ前の6000人には届かないものの、前年を約30%上回った。近鉄百貨店の秋田拓士社長は「想定以上の人出だ」と話す。福袋の売り場面積を前年の2倍近くに拡大した婦人衣料品や、食料品の福袋が人気だった。

本店では1000万円以上の絵画なども売れ、秋田社長は「行動制限が緩和されるなかでコロナ下での買い控えの反動が出ている」と指摘する。2日の売上高は、近鉄百貨店全体で前年を20%ほど上回った。

3年ぶりに行動制限のない新年となり、各地の商業施設でも1日から初売りが始まっている。

イオンリテールでは1、2日の両日、客数と売上高はともに前年同期比で2〜3%増えた。担当者は「前年に比べて親戚などとの団らんを楽しむ人が増えている」と指摘し、3〜4人前の刺し身やすしの売り上げは同15%増だったという。ビックカメラの1日の売上高は前年と比べて約2割増えた。

商業施設「ららぽーと」では全18施設で1日から3年ぶりとなる初売りセールを開催している。御殿場プレミアム・アウトレット(静岡県御殿場市)では家族連れや3世代で来場する人の姿が目立った。

百貨店などの初売りが好調な滑り出しとなったなか、23年の個人消費はどうなるのか。三井住友DSアセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストは「旅行や買い物を我慢してきた人は多い。物価高もピークを越えれば、消費意欲が高まってくるのではないか」とみる。ただ、「新型コロナの感染者数が増加すれば危機意識が高まる」と指摘し、消費を控える動きに戻るとの懸念も示す。

ニューズレター

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン

権限不足のため、フォローできません