近ツーのKNT-CT、22年3月期最終赤字縮小 受託事業増
近畿日本ツーリストなどを抱えるKNT-CTホールディングス(HD)は23日、2022年3月期の連結最終損益が95億円の赤字(前期は284億円の赤字)になりそうだと発表した。従来予想(130億円の赤字)から上方修正し、赤字幅が縮小する。新型コロナウイルスの感染拡大で旅行需要は低調だが、自治体のワクチン接種関連事業が想定より伸び収益が改善する。

売上高は前期比59%増の1400億円と、従来予想を100億円下回る。当初は22年1月ごろから政府の観光支援策「Go To トラベル」が再開すると見込んでいたが、変異型のオミクロン型の拡大により「Go To」が延期され、旅行事業の売上高が想定を下回る。
営業損益は110億円の赤字(前期は270億円の赤字)と従来予想から30億円改善する。感染拡大に伴う自治体のワクチン3回目接種の会場運営など受託事業が想定より増える。同事業は旅行事業より利益率が高い。国内の旅行店舗数を20年3月比約7割削減するなど合理化も寄与する。
「Go To」再開の延期に伴い、一部社員を引き続き休業させるなどして雇用調整助成金は想定より膨らむ。営業外収益に計上する。
KNTCTが22年3月期通期の業績予想を修正するのは2回目。21年5月時点では148億円の最終赤字を見込んでいたが、ワクチン接種事業の受託が収益を押し上げ、21年11月には130億円の赤字に上方修正していた。