YKKAP、30年度に海外売上高3.8倍目指す 1000億円投資

建材設備大手のYKKAPは23日、2030年度に海外事業の売上高3000億円を目指す中期ビジョンを発表した。21年度比3.8倍となる。海外売上の内訳は北米が約3割、アジア地域が約2割を見込む。8年間で海外事業に計1000億円を投資する。
インドネシアで人口増加に伴うインフラ需要の伸びに備え、老朽化した製造設備の更新に200〜300億円を充てる。米国のジョージア州メーコン市でも約166億円をかけて住宅用樹脂窓の工場を新設する。
都内で開かれた新体制方針説明会で、4月1日付で社長に昇格する魚津彰副社長は「海外事業は欧州への新規参入を含めてまだまだ伸びしろがある」と強調した。
成長市場に位置づける北米事業は、6州に拠点を構える米東部から全土に販売網を広げる。インドネシアや台湾などのアジア事業は庭園や外構(エクステリア)用の商品を拡充し、旺盛な住宅ニーズに応える。
23年度以降の経営方針のひとつとして、「地球環境への貢献」を挙げた。事業活動で発生するCO2(二酸化炭素)排出量を40年度までに、13年度比100%削減すると発表した。従来目標から達成時期を10年前倒しした。
サステナビリティー(持続可能性)関連投資は国内外で500億円を投資する。太陽光や風力など再生可能エネルギー発電設備の導入を進め、環境負荷の小さい天然ガスや水素、アンモニアなどの代替燃料の活用も検討する。24年度中に製造時のCO2排出が少ない木製窓を製品化する構想も明らかにした。