小田急の23年3月期、純利益3倍 オフィスビル売却で

小田急電鉄は23日、2023年3月期の連結純利益が前期比3倍の364億円になりそうだと発表した。従来予想を249億円上回る。オフィスビル「小田急第一生命ビル」(東京・新宿)の持ち分売却に伴い、特別利益355億円を計上する。年間配当は従来予想から11円引き上げ、前期比11円増の21円とする。
3月末に第一生命保険などが出資する国内法人に売却する。このほかホテル「ハイアットリージェンシー東京」が入居する隣接ビル「小田急センチュリービル」(同)も米投資ファンドのKKRなどへ6月末に売却する。運営子会社のホテル小田急(同)の全株式もKKRに譲渡する。24年3月期に譲渡益500億円を計上する。
売却する2棟は新宿副都心エリアの開発が進んだ1980年に完成した。売却で得た資金は新宿駅西口エリアでの再開発投資や有利子負債の返済などに充てる。
23年3月期の売上高にあたる営業収益は前期比9%増の3914億円、営業利益は3.5倍の216億円と従来予想を据え置いた。