武田薬品、血液製剤を増産 大阪工場に1000億円規模投資
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武田薬品工業は、大阪工場内(大阪市)に血漿(けっしょう)分画製剤の生産設備を新設すると発表した。1000億円規模の投資を計画し、2030年ごろの商用生産を目指す。年間の国内生産能力は現在の約40万リットルから5倍強の約200万リットル強に引き上げる。各国で需要が増大する希少疾患向けなどの用途を見込む。
血漿分画製剤は、血液製剤の一種でヒトの血液成分を由来とした医薬品だ。買収したアイルランド大手シャイアーが得意とし、武田は同製剤をもとにした免疫グロブリン製剤などに力を入れている。
武田の国内生産設備への増強投資としては過去最大規模となる。武田薬品の血漿分画製剤の生産拠点は海外にもあるが、完成後はアジアで最大規模の工場となる。大阪工場(大阪市)の敷地内にある土地を活用し、工場を新設する。現在は成田工場(千葉県成田市)で血漿分画製剤を製造するが、将来は大阪工場に国内生産を集約する方針だ。
調査会社のグローバルインフォメーションによると、2027年までに世界の血漿分画製剤の市場は282億ドル(約3兆7000億円)となる見通し。武田は大阪工場で生産した製剤について、輸出も検討する。
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