インスタグラム、渡辺直美が1位 大躍進したのは?
SNSタレントパワーランキング2021(3)
写真や動画がメインで、視覚的に訴えられるInstagram。ビジュアルで勝負できるツールであり、タレントの個性を生かした投稿は常に多くの関心を集め、ネットニュースに取り上げられる機会もかなり増えた。では現在、多くのフォロワーを得られているのは誰か。

1位は渡辺直美で、956万5000人。相変わらずの独走状態であり、4年連続首位を守った。21年3月にはInstagramで、4月からのニューヨーク移住と、アメリカのエージェント2社との契約を発表。20年からさらに約12万人フォロワーを増やしてのNo.1となった。
3年連続2位となったローラは、1年で約65万人フォロワーが増えて、現在696万8000人。ロサンゼルスでの生活や、モデルならではの美しい写真で魅了する一方、ブログのような丁寧な文章で、バラエティ番組で見せていた親近感がなお感じられるのが強さの鍵。
海外で活躍の面々が初登場
そして今回大躍進となったのが、世界的に人気のある韓国のグループ・NCTのメンバーだ。16年にグループ内ユニット「NCT 127」でデビューしたYUTA(中本悠太)が、690万3000人でいきなり3位に浮上した。昨年3月にアカウントを開設し、約1年後の今年3月にはフォロワー数が500万人を突破。山下智久を抜いて男性タレントで日本一となり、情報番組などでも取り上げられた。YUTAは昨年12月から、InterFM897でラジオ番組がスタートしており、それも追い風になっているだろう。もう1人、昨年10月に2人目の日本人としてNCTに電撃加入したSHOTAROも15位に初登場。驚きのダンススキルで、世界に衝撃をもたらした21歳で、開設からわずか1年で378万6000人のフォロワーを獲得した。
海外のユニットで活躍する人物としては、19位の吉原日奈も当てはまる。ロサンゼルスを拠点にする、14カ国から集まった男女14人のポップグループ・Now Unitedのメンバーで、TikTokから人気に火が付いた20歳。日本で広く知られるのはまだこれからの人だが、フォロワー数353万9000人という結果でランキングに入り、"世界規模"が示された。
4位の水原希子、5位の山下智久と、トップ5はグローバルに活躍する面々に。
異色なのはグラビアアイドルの森咲智美。1枚目と2枚目でギャップのあるセクシーショットを載せ、「#これがこう」というハッシュタグを付ける手法を編み出し、ファンを獲得してきた。今回、フォロワーを昨年より約145万人も増やし、456万6000人で6位に入った。
男性俳優では、山﨑賢人は上位の常連だが、今回も約58万人フォロワーが増え、7位にランクイン。更新頻度は高くないが、着実にファンの心をつかんでいる。21位の木村拓哉は、プライベートの写真を数多く投稿。フォロワー数も50万人以上増えており、まだまだ伸びしろがありそうだ。
雑誌の専属モデルを務める9位の新木優子(12月号で『non-no』専属モデルを卒業)と、11位の藤田ニコルは、女優やタレントの仕事関連のほかに、モデル業のときのオフショットも多い。ファッション誌への登場回数が多い23位の川口春奈や、28位の本田翼も同様で、女性から高い支持を得ている。藤田に関しては、手掛けるアパレルなどのプロデュース業についても多く投稿しており、普段とは違う一面が垣間見られる。
Instagramには、Twitterのような拡散する機能はないが、投稿に対して「いいね」と「コメント」のリアクションを取れる。より熱量の高いファンを持つのは誰かを調べるため、1投稿あたりの「いいね」と「コメント」の数を足した平均数を「平均リアクション数」としてランキング化した。また、フォロワー数が多いほど、リアクション数は多くなる傾向がある。フォロワー数に惑わされない指標として、平均反響数をフォロワー数で割った「平均エンゲージメント率」も併せて出した。

少なかった休業のダメージ
ここでは、NCTのYUTAとSHOTAROが1位と2位を独占する結果に。平均リアクション数はそれぞれ140万、131万超と、他を圧倒していた。さらに、平均エンゲージメント率では、SHOTAROが34.68%で1位、YUTAが20.34%で3位といずれも高い水準にあり、いかに熱いファンが多いかが分かる。

休業の期間がありながらも、大きなダメージとはならなかったのが、3位の深田恭子。深田は、平均エンゲージメント率でも24.2%で2位となった。21年5月に適応障害で活動を休止したため、約4カ月更新が途絶えたが、9月に復帰をInstagramで発表した際は、2万件以上のコメントが寄せられた。一方、前回1位だった山下智久は、今回は4位に。20年8月からの休業のタイミングでは、29万件近いコメントが付いた。事務所から独立した同年11月からは、仕事先の海外での様子などをコンスタントに更新している。
6位の今田美桜は、毎年順調にフォロワー数を増やすと共に、平均エンゲージメント率も高い代表格。雑誌やCM撮影での完璧な姿だけでなく、メイクを落とした後のラフな姿も公開している。普段と違う姿が見られるのはポイントで、9位に入ったプロテニス選手の大坂なおみ(フォロワー数ランキング37位)は、オフショットを数多くアップしており、平均エンゲージメント率では、今田の次の6位につけた。15位の石田ゆり子(同36位)のInstagramも、プライベート感がたっぷり。ペットとの1コマを頻繁に更新している。
13位の浜辺美波(フォロワー数ランキング54位)は、仕事中のオフィシャルな写真が中心だが、毎回本人の言葉で感想や気持ちが細かくつづられており、ファンにとってうれしい投稿であるに違いない。平均エンゲージメント率も高く、10位に入った。26位の小松菜々(同60位)は作品のようなトーンの写真で統一しており、感性が生きた作りになっている。
そして28位には千鳥のノブ(フォロワー数ランキング44位)が滑り込んだ。Instagramのランキングで、男性芸人が入ったのは今回が初めて。愛嬌(あいきょう)のある写真に、思わず反応したくなる一言とハッシュタグが魅力だ。
YouTube、Instagram、Twitterに関して、日経エンタテインメント!編集部と日経クロストレンド編集部が200万人以上フォロワーがいるアカウントをピックアップ。そのリストを元に、ユーザーローカルがアカウントのフォロワー数とリアクションを調査。フォロワー数は2021年9月30日時点、反響数は9月1日から30日までの1カ月間を対象とした。そのため9月中に投稿のなかったチャンネルの平均再生回数は調査対象外となっている。アカウントは日本国内を対象としたもの。
(ライター 内藤悦子)
[日経エンタテインメント! 2021年12月号の記事を再構成]
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