ドコモの「アハモ」、80ギガ1980円で追加可能に

NTTドコモは23日、オンライン手続き専用プラン「ahamo(アハモ)」でデータ容量100ギガ(ギガは10億)バイトが月額4950円で利用できるようにすると発表した。20ギガバイトの既存プランに、1980円で80ギガバイトを加えられる。若者を中心として自宅に光回線がなく携帯電話回線のみを使う利用が増えているのに対応する。
新サービスは6月に始める。在宅勤務やリモート授業、動画視聴の増加で大量のデータ容量を使いたいニーズに応える。
アハモは20ギガバイトが月2970円で、1回5分までの無料通話を含む。ドコモが弱いとされてきた若者層をターゲットにし、割安な価格が評判を呼んだ。2021年3月の提供開始から約1年で契約数は300万を目前にし、30代以下で過半を占めるという。
学生や若手社会人などの単身世帯で、光回線などの固定回線を自宅で契約せず、携帯電話回線のみでインターネットを利用する人が増えているようだ。ただ、ドコモを含む大手各社の既存プランでは、光回線など固定回線が自宅にあることを前提とした割引が多い。
ドコモの主力プランではデータ無制限は月7000円台だが、光回線契約や複数家族の加入による割引の適用により5000円程度で利用できる。3ギガバイトなど低容量プランの利用者は、自宅に光回線などでWi-Fi(無線LAN)環境を整えていることが多い。携帯電話回線だけで大容量のデータを使いたい層に対するサービスは「空白地帯だった」(ドコモ幹部)。
アハモは他社の同様のプランに先行し顧客獲得に成功してきた。しかし「競争に勝ち続けるための追加策がない」(NTT幹部)との不満の声があがっていた。
携帯電話の売り場では、進級・進学を前に最も新規契約者を獲得できる春商戦が始まっている。ドコモの新サービスは6月からだが、他社に乗り換えようとする顧客の流出を抑える効果を期待する。ドコモの新たな戦略に対し、他社が対抗策を出すかどうかが焦点になる。