JTの22年12月期、純利益7%増に上方修正 円安がプラス
日本たばこ産業(JT)は29日、2022年12月通期の連結純利益(国際会計基準)が前期比7%増の3620億円になりそうだと発表した。従来予想は5.2%増の3560億円で、増益幅が拡大する。たばこの世界販売数量は3%程度減少するものの、為替の円安進行がプラスに働き、日本やフィリピン、トルコなどの価格改定の効果もあって利益が伸びる。
売上高にあたる売上収益は前期比7%増の2兆4860億円と従来予想から1710億円増える見込みで、減収予想から一転増収になる。営業利益は10%増の5490億円を見込む。たばこの資源価格高騰や、紛争が続くロシア・ウクライナで製造したたばこの輸出が滞る影響があるものの、為替の円安進行で上方修正した。配当予想は据え置いた。
売却を検討しているロシア事業については、4月に発表した「グループ経営からの分離を含めた選択肢の検討」を継続するとした。オンラインで開いた決算説明会で、JTの見浪直博副社長は「現在は事業運営を継続しているが、分離という決断が必要になれば即座にできるように準備を整えている」と述べた。
同日発表した2022年1~6月期の連結決算は、売上収益が前年同期比11%増の1兆2668億円、純利益が17%増の2640億円だった。たばこ、医薬、食品すべての事業で増収になった。
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