/

マツダやデンソーなど車・部品10社、デジタル設計共通に

車の様々な性能をコンピューター上でシミュレーションする(写真はマツダの開発風景)

マツダトヨタ自動車などの自動車大手とデンソーなどの車部品大手の計10社は24日、コンピューター上で車両を設計開発する手法の標準化で連携すると発表した。標準化で開発コストや期間を短縮できる利点があるため、一部の車大手で導入が進んでいた開発手法を中小の部品メーカーまで普及し、日本の車産業全体の競争力を高める。

「(完成車メーカーと部品メーカーの)すり合わせに時間を使っている余裕はない。効率化できるところは効率化し、環境対策などへの投資に注力する」。同日の会見で、マツダの人見光夫シニアイノベーションフェローは、こう強調した。電気自動車(EV)や自動運転など新技術の開発余力を生み出し、欧州などに対抗する狙いだ。

新組織は「モデルベース開発(MBD)」と呼ぶデジタル設計の手法を普及させることを目的とし、「MBD推進センター」と名付けた。マツダ、トヨタのほか、ホンダ日産自動車、SUBARU(スバル)の車5社と、デンソーやパナソニック三菱電機などの部品5社が運営会員として参画する。

モデルベース開発では、車を構成する部品をすべてデータ化することで、コンピューター上で仮想の車を作り出す。パソコンの中で車を走らせて、どの部品が不具合を起こすのか、空気の流れを乱している部分はどこかなどを瞬時にデータで導き出せる。実際に試作車を作って走らせ、部品をその都度作り直すような工程が省け、開発時間やコストを減らせる。

日本車メーカーでは、マツダが先行して取り入れた。2000年代から本格的に導入し、従来のエンジンから燃費を改善させた「スカイアクティブ」を開発し、12年の多目的スポーツ車(SUV)「CX-5」に導入するなどして人気をけん引した。マツダの場合、実際のエンジン開発期間の半減につながったこともある。マツダのほか、トヨタやホンダなども導入し、車開発では主流になりつつある。

ただ車部品メーカーでの導入は進んでいない。特に、投資余力のない中小の車部品メーカーでは、コンピューターに強い技術者を抱えられず、ハードルが高い。自動車メーカーから見て、2次下請け以降の取引メーカーには町工場のように、職人の技術力を武器にしている企業も多く、設計・開発のデジタル化が進んでいない。

新組織では大手完成車、部品メーカーが中心となり、技術支援などを通じて中小部品メーカーにもモデルベース開発を普及させることを目標にかかげる。人見氏は「各社のつながりをよくして効率的に開発する」と語る。

モデルベース開発をよりしやすくするためルール統一も目指す。例えば、モーターを回転させるとタイヤがどう動くかといった関係を表す場合、従来はメーカーによって「トルク」や「数式」「信号」など別々の方法をとっていた。業界でこうした方法を統一することで、部品メーカーは納品先の車メーカーごとに設計を変える必要がなく、コストや時間を削減できる。

モデルベース開発は独ダイムラーなど欧州勢も進めており、ダイムラーや独BMWなど完成車メーカー、独ボッシュ、独コンチネンタルなど大手部品メーカーの連携が日本より先行している。EVや自動運転など新たな技術領域「CASE」で競争が激しくなる中、業界全体で開発を効率化し、新技術の開発余力を確保する。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン