キヤノン、20年ぶりベア 物価高で全従業員に7000円
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キヤノンは2023年1月に基本給を一律で底上げするベースアップ(ベア)を20年ぶりに実施する。現行の昇給制度とは別に全従業員2万5000人の基本給を一律で7000円引き上げる。社員の役割や実績に応じて賃金を決める役割給制度を採用しており、ベアを実施してこなかった。急速に進む物価高に対応するため一律で給与を引き上げる動きが広がってきた。
キヤノン本体の執行役員以上を除く全社員が対象となる。金額は異...
賃上げは賃金水準を一律に引き上げるベースアップと、勤続年数が上がるごとに増える定期昇給からなる。2014年春季労使交渉(春闘)から政府が産業界に対し賃上げを求める「官製春闘」が始まった。産業界では正社員間でも賃金要求に差をつける「脱一律」の動きが広がる。年功序列モデルが崩れ、生産性向上のために成果や役割に応じて賃金に差をつける流れが強まり、一律での賃上げ要求の意義は薄れている。
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