求人広告6月47%増、14カ月連続プラス 飲食がけん引
人材サービス会社でつくる全国求人情報協会(全求協、東京・千代田)が25日発表した6月の求人広告件数(週平均、職種別)は、前年同月比47・9%増の123万2411件だった。前年同月を上回るのは14カ月連続。夏の繁忙期に向けて飲食店や娯楽施設で採用を強化する動きが広がった。新型コロナウイルス禍が落ち着き、リオープン(経済再開)に向けて販売職や事務職などでも求人が活発だった。
職種別では、飲食店のホールスタッフなどの「給仕」が前年同月比89・2%増の15万109件で全体をけん引した。「調理」も78・5%増の11万7180件と高い伸びを見せた。飲食各社は夏の繁忙期を見据えて求人を増やしている。人手不足を背景に、調理の下準備などに限定した短時間の募集や主婦層などの採用が進んでいる。
娯楽施設スタッフなどの「接客」は72・7%増の7万9897件、店舗販売員などの「販売」は37・7%増の20万5754件だった。新型コロナ感染対策の行動制限がなくなり、観光需要の回復への期待から、観光産業でも求人が目立った。
「事務」は53・3%増の9万7243件。経済再開に向けて各社では営業活動などが活発になっており、請求書作成などを支援する事務職の求人が伸びた。コロナ禍で採用を控えていた外資系企業などでも求人が回復し、語学スキルを持った専門人材のニーズも高まった。
エン・ジャパンの中島純執行役員は「新型コロナの感染が再拡大しているが、飲食店などは感染が落ち着いた際にスタッフが不足することを防ぐため7月以降も採用意欲は継続する」と指摘。夏以降も求人活動の増加傾向は続くとみる。
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